筆記試験対策
筆記試験について
- 海事代理士の学科試験対策については,多くの諸先輩がサイトなどを利用して紹介していますし,私のホームでも国土交通省のサイトや必要最小限の教材について触れていますので,ここでは,筆記試験の各科目の試験対策について簡単に説明します。
科目別筆記試験対策
- あくまでも個人的な考えですので参考としてください。
各科目別筆記試験対策
- 解いた問題は,必ず六法などの条文を確認し,線を引く(アンダーライン)などしておくことを忘れずに。繰り返しの勉強が重要ですので,あとから何度も確認できるようにしておきましょう。
- 先にも触れましたが,勉強の方法としては,以下のものを利用・参照してください。
- 国土交通省のサイトの「海事代理士になるには」の公開過去問題及び回答
- 全くの素人(私もでしたが)が受験するにはこれがないとほぼ無理でしょう。この本には問題の条文のヒントや模範解答が記載されています。
- 問題を読み,条文を見て,解答を入れる。これを何度も繰り返してください。
海事六法
- 諸先輩方のサイトなど
- 現在の試験制度では,過去問題を繰り返し行い,条文を頭に入れることだと思います。
- 但し,運転免許試験のように過去問題がそのまま出題されるものでもありませんので,過去問題の繰り返しが100%とはいえないことも承知しておいてください。
- かといって,現段階では,出題問題の法理論や法解釈まで踏み込むほど一つの問題に深く入り込み追求しないことも大事です。
- 膨大な試験科目があり,かつ,1科目内でも出題される範囲が広範囲ですので,試験まで手が回らなくなると思うからです。
- 現時点での合格ラインは240点満点の60%以上(但し書きを除く)ですので,最低70%以上を取ることに目標を定めましょう。心配な人はより高得点をとるように勉強しましょう。
- 筆記試験を通過しなければ,何も先には進めません。
- では,各科目別試験対策について簡単に触れます。
憲法
- 条文の穴埋め問題,正誤問題が出題される傾向ですので,問題集を解いたら必ず,条文を引いて,アンダーラインでも利用してチェックしておきましょう。
- 最近の傾向は、判例が出題されています。これは正直、とても厄介です。
憲法の最高裁の判例などには目を通しておくといいでしょう!
- 最近の傾向は、判例が出題されています。これは正直、とても厄介です。
- チェックすることによって,ある程度出題傾向も絞れてくると思います。
- 新聞や公務員試験の問題集なども参考になると思います。
- 新聞を見て,憲法に関係のあることが書かれていたら,ちょっと,条文を読んでみる。こんなことでも勉強になるものです。
- 新聞や公務員試験の問題集なども参考になると思います。
民法
- この科目は,とても広範囲で,どこが・なにが出題されるかわかりません。正直言って絞りようがありません。
- 過去問題と安価な行政書士試験の民法の部分だけの問題集などを解くことをお勧めします。
- 憲法と同じく、判例の正誤を問う出題傾向が強くなっています。おなじく、民法の代表的な判例にも目を通しておきたいところです。
- 過去問題と安価な行政書士試験の民法の部分だけの問題集などを解くことをお勧めします。
- 私は,法律の知識を多少持っていたため,憲法,民法は法解釈とかを求められている出題傾向ではないことから,出題年度の過去問題の半分ほどは何とか思い出せましたが,なんせ,範囲が広いので正直やっかいです。
参考書
- 半分程度点数を取ることを目標にしてどんどん前に進んでいきましょう。
- 実務は別として,試験ではこの科目に時間をかけている余裕や必要はないと個人的に思います。
商法(海商法)
- この科目も厄介者です。法律の勉強を全くしたことがない人は,まず,条文が読めないでしょう。昔の法律ですので条文がカタカナです。
- ニ従ヒ・・・に従い,於テ・・・於いて,亦同シ・・・また同じ。などなど。
- 加えて,用語の意味がわからない。実務においては重要といえますが,こと試験に関しては,過去問題を繰り返し行い,条文の確認。これに尽きると思います。
- ただし,条文を読むのに慣れてくると案外,意味がわかってきます
- ここにも長時間はかけられませんので,半分を目標にしましょう。
国土交通省設置法
- この科目は,高得点を取りましょう。なぜなら,難しくはないからです。条文そのままですし,今後海事代理士として,活動される場合には,運輸局の担当部署も覚えておく必要がありますので,頑張りましょう。
- 自分なりに簡単な二段・三段表などを作るとわかりやすいかと思います。
- 例えば・・・以下のような感じで・・・
地方運輸局海事振興部及び海事部 | 所掌事務 |
---|---|
モーターボート競走に関すること,港湾運送及び港湾運送事業の発達,改善および調整に関すること,海事代理士に関すること・・・ |
所掌事務 | 本省の担当部署 | 地方運輸局の担当部署 |
---|---|---|
モーターボート競走に関すること・・・ | 本省海事局 | 海事振興部または海事部 |
第2時限
船員法
- 口述試験の試験科目でもありますので,ここはしっかり勉強しましょう。簡易な記述式問題も出題されますので,しっかりと頭に入れておきましょう。
- 配点も20点ですので,15点は取りたいところです。
- 過去問題と同じ条文の出題でも別の部分が空欄になっていたりすることもありますので,繰り返し過去問題及び条文の読み返しをすることが大切だと思います。
- 船員・海員の定義,船員手帳関係,雇い入れ契約の公認関係,船長の航行に関する報告義務や船内に備え置かなければならない書類などの問題は,口述試験でも出題されますので,これらの問題もしっかりと勉強しておきましょう。
船員職業安定法
- 船員の雇用関係や派遣に関する科目ですが,この法律のほか,同法規則からも出題されています。
- 出題傾向は,法律目的,定義,この法律の中の各事業の許認可,届出,廃止,報告などが主ですので,その辺りにしぼって勉強しましょう。
- 試験問題も選択穴埋め,正誤がほとんどですので,比較的点数は取りやすいと思いますので,過去問に絞って勉強しましょう。
船舶職員及び小型船舶操縦者法
- 最近の出題傾向は、筆記試験及び口述試験ともに難関出題傾向にあります。
- 過去問題にない出題が多く出題され、点数を取りにくくなっています。
- 過去問題も徹底的にやることも必要ですが、そのほかの条文にも配慮し、力を注ぐ必要がある科目となってます。
- 過去問題にない出題が多く出題され、点数を取りにくくなっています。
- 口述試験の試験問題でもあり,最近は実務により即した問題が口述試験でも出題されてきています。
- 多くの海事代理士が取り扱う業務であり,筆記試験の科目の中で船員 法同様しっかりと勉強しておく必要があります。
- 配点は20点ですが,半分の10点は取れるように勉強しましょう。
- 条文を引いて,引いた前後の条文も時間があれば見ておくことも必要です。
- 海技免状の再交付・訂正・返納については,船員手帳の再交付・訂正・返納と混同するので,自分なりに整理してください。
第3時限
海上運送法
- ここでは,事業の種類と事業の開始・休廃止に係る規制内容の許可・届出・認可並びに日数などの穴埋め問題が出題されます。
- 最近は,10問全部が穴埋め問題となっており,選択問題が減っている傾向にあるようですので,しっかり覚えましょう。
- また,海上運送事業の種類などによって,届出などの期日が異なっています。
- 合格マニュアルに記載されているとおり,自分なりに一覧表を作って頭の中で整理することが必要です。
- 例えば,海上運送事業の中の一つには,船舶運航事業があり,これは定期航路と不定期航路事業に分かれ,定期航路事業は,さらに旅客定期航路と貨物定期航路事業に分かれ・・・という具合に整理していきましょう。
- 私の場合は許可・認可・届出ごとに分類して,覚えました。
- 例ですので,自分なりに覚えやすいように整理することが大切です。
航路事業など | 事業内容など | 期日など | |
許可 | 一般旅客定期航路 | 航路ごとに | 営むとき |
特定旅客定期航路 | |||
旅客不定期航路 | |||
認可 | 一般旅客定期航路 | 運送約款 | 変更も同じ |
事業計画の変更 | 軽微なものを除く | ||
譲渡又は譲受 | 受けなければ効果なし | ||
合併及び分割 | 事業を行わない場合はなし | ||
相続 | |||
届出 | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
・・・ | ・・・ | ・・・ |
港湾運送事業法
- この科目も海上運送法同様です。事業の種類,許認可,届出,期日などしっかり覚えましょう。
- 海上運送法と混乱してくるので,しっかりと整理してください。
- これも私は,許可・認可・届出ごとに分類して,覚えました。
- 正誤,選択穴埋めの出題傾向なので,整理できれば高得点を取れます。
内航海運業法
- 穴埋め問題です。条文の定義,届出や期日などを整理して覚えましょう。
- 条文自体は少ないので,比較的勉強はしやすいと思います。
- 過去に出題されている条文をしっかり覚えましょう。
港則法
「港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律」(平成22年7月1日施行)
- 最近の傾向は,穴埋め傾向です.
- 小型船舶免許を取得,受験又は勉強された方は,聞き覚えのある言葉だと思います。
- ですが,海事代理士試験では,小型船舶免許試験のような操船実務に関した出題とは多少違います。
- 定義,許可・届出など過去問に沿って覚えてください。
- 船舶が著しく混雑する特定港の穴埋めなど具体的な問題もあります。
- 参考までに,小型船舶操縦士免許の港則法はこちらをご覧ください。
海上交通安全法
- 穴埋め問題は従来通り出題されています。
- 定義及びこの法律の適用航路など具体的な地名・航路名・該当する航路での船体の長さなども覚えておく必要が生じています。
- 海上交通安全法の適用があるのは,東京湾,伊勢湾と瀬戸内海だけです。
- この三海域のなかに航路があります。
- 海上交通安全法の適用があるのは,東京湾,伊勢湾と瀬戸内海だけです。
- ちなみにこの科目は小型船舶免許試験の問題とも重なる部分が多いです。
- 参考までに,小型船舶操縦士免許の海上交通安全法はこちらをご覧ください。
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
- 勉強しずらい科目です。
- 選択・正誤問題の出題ですが,○○の場合は,環境大臣なのか国土交通大臣なのか,いや,海上保安長官なのか,地方運輸局長なのか,またそれを何日前に届けるのか,許可なのか・・・・条文を読んでも判然としません。
- 過去問をしっかり整理して,所管官庁又は大臣などを間違わないように整理しましょう。
領海等における外国船舶の航行に関する法律
- 令和元年度の試験から追加された科目です。
- 私の受験の時は、この科目の試験はありませんでしたので、アドバイスというより、問題を見た限りのことしか書けませんが、条文穴埋選択問題、〇×正誤問題なので、比較的勉強はしやすいと思います。
第4時限
- この4時限目の時間になってくるとさすがに疲れてきます。
- が,ここに口述試験の科目でもある船舶 法と船舶 安全法がありますので,最後まであきらめず勉強してきたことを出し切るようにしましょう。
船舶法
- この法律も古く,海商法同様カタカナ記載です。しかし,海商法のように半分捨てるわけには行きません。
- すでにここまで読まれた方はご承知のことでしょう。口述試験の試験科目でもあるからです。
- しっかり過去問題をやってきっちり覚えましょう。出題問題は今のところ,選択問題ですが,穴埋めとなってもできるようにしておきましょう。
- ちなみに私の自己採点結果は,満点でした。
- この法律の定義,船舶の登録・抹消や登記の方法・手続きなどをしっかり覚えましょう。覚えれば,口述試験でも断然有利になります。
- 筆記試験では,船舶国籍証書,仮船舶国籍証書などの言葉と,どういうときにこれらが必要となり,有効期間はいつまでか,毀損・滅失したときはどうなるのか,など整理しておくといいでしょう。
船舶安全法
- 船舶法同様,重要な科目です。高得点を取れるように。
- 法律の定義,船舶の検査手続き,船舶検査証書の記載事項・有効期間,満載喫水線について整理して覚えましょう。
- 対策としては,基本的には過去問題の繰り返しです。条文を引くことを忘れずに。
船舶のトン数の測度に関する法律
- 高得点が期待できます。毎年,第1条から第8条,第12条及び第13条が繰り返し出題されています。
- なおかつ,語群の中からの選択です。繰り返し繰り返しで満点です。
- 私の自己採点結果も満点でした。
- この法律でいうトン数とは,大きさなどを表す場合や積載量を表している。
- トン数=船の重さではありません。
造船法
- この科目も高得点が期待できます。第1条,2条,3条,6条並びに同法施行規則第2,4,5,6,7条あたりから出題されてます。
- 穴埋め問題ですので,当てはめる数値や年月日を誤らないようにしましょう。
国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律
- 過去の出題傾向では,法第4条~12条あたり,同法施行規則第17条あたりから出題されてます。
- 法律名のとおり,船舶航行等の自己警備を図るための法律ですので,保安という言葉が頻繁に出てきますし,穴埋め問題で記入する言葉も長いので,その辺の記入ミスに注意しましょう。
- 次の言葉がよく出題されています。
- 船舶指標対応措置
- 船舶警報通報装置
- 船舶保安統括者
- 船舶保安管理者
- 船舶保安証書
- 臨時船舶保安証書
船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律
- 令和元年度の試験から追加された科目です。
- この科目も私の受験時にはありませんでしたので、問題を見た限りのことしか書けませんが、条文穴埋め選択問題なので、比較的勉強はしやすいと思います。
実際の筆記試験の様子
- どうでしたか?
- ここのページを読んでいるだけでも,嫌になってくるかもしれませんね。
- でも,確かに覚えることはたくさんありますが,正誤,選択,穴埋めが多く,記述がほとんどないといってもいいくらいですので,一つの科目又は問題に深入りすることはないのです。
- 広く浅くがこの筆記試験の特徴です。
- 実際,試験が始まり,開始後の30分経過で退室する人が3分の1,1時間もすると残っている人は極僅かという状態です。
- つまり,勉強してきた人には,難しくない試験なのです。
- 私はゆっくり問題をよみ,見直しをしましたので40分から50分程度で退出し,その後は,次の試験科目の復習をしていました。
どんな人が受験してるの?
- 受験者同士の集まり方や話しぶりを聞いていると,やはり,海運関係者が多いようです。
- が,極普通の人でも心配することはありません。現に私も海運にはあまり縁がなかったからです(海に関する仕事はしましたが・・・・)。
- なぜなら,口述試験に姿が見えないからです。
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- なぜなら,口述試験に姿が見えないからです。
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