温度の影響
温度の影響
水中での特性
- 体温調節は、代謝の結果体内に生じる熱(産熱)と、その放散(放熱)のバランスによって行われています。
- 水は空気に比べ、熱伝導度で25倍大きく、比熱で1,000倍以上大きいので、水中は体温が容易に外へ移動し、その結果低体温症に陥りやすいのです。
- ウエットスーツを用いた潜水では、熱の損失にも限界があるので、必要に応じてドライスーツなど断熱能力の高い潜水服を用いることが必要です。
- さらに冷たいところでは、温水を潜水服に通して温める温水潜水服などの着用が必要です。
低体温症
- 一般に35℃以下を低体温症といいますが36℃前後でも機能低下が認められますので、注意が必要です。
症状
- 低体温症になると、まず、体に震えがきて、35℃くらいになると思考力や意欲が低下します。
- 34℃では無気力と混乱により会話ができなくなり、感覚もなくなります。
- 33℃では、意識が混濁し死亡率は50%にを超え、さらに低下すると、不整脈や脳の活動も低下して死に至ります。
処置
- まずは、体温を回復させることであり、体熱の損失を最小にすることが必要です。
- 濡れた衣服を脱がせる、毛布などでくるむ、風の当たらない場所へ移動する、暖かい場所で体温を回復させるなどのほか
- 暖かいシャワーや風呂にいれるなどの方法がありますが、急激に暖めるなどの積極的な体温回復はあまり行うべきではなく、緩やかに体温回復に努め、医療機関へ搬送します。
- 体を温めるため、アルコールを与えることは逆効果で、アルコールの摂取は、皮膚のの血管が拡張し、体表面から熱損失を増加させるので絶対に避けなければなりません。
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